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龍は麾く

四龍(スーロン)島シリーズ二十四冊目は「龍は麾(さしまね)く」です。
とても空で書けない、ついでにルビがないと、一瞬「?」となる馴染みのない漢字です、「麾」(苦笑)。
それはまあ、さておき…表紙はシリーズ中数少ない(笑)マクと飛(フェイ)くんのツーショットのイラストです。
飛くん、月亮(ユエリャン)、冬眠(トンミェン)、雷英(リーイン)という北里の龍(ロン)一族集合イラスト。
月亮パパがいる所為か、色合いも全体的に落ち着いていて渋い印象があります。
このイラストも格好良くて好きです♪
鞘に収められた長剣を地に突き立てるように持って、目を伏せ、
袍(パオ)の裾と漆黒の長い髪を風に靡かせながら草原に佇む飛くんを中心に、
それぞれ違う方向に眼差しを据えているかのようなパパ、従兄弟、叔父が配されています。
で、何が素敵かと言えば、やっぱり(笑)私は飛くんをピックアップしてしまうのです!!
目を伏せた横顔のなんと凛々しく美しいことか♪
ほっそりした体躯のなんとバランスの取れていることか♪♪(脚長い♪)
きゅっと引き締まった細腰の何と艶っぽいことか♪♪♪←触れずにいられない(笑)。

ついに月亮が、白龍(バイロン)を攻めるための手兵を集めはじめた。
黒龍(ヘイロン)全体が不穏な空気に包まれる中、月亮のやり方を疑問視する者も少なくない。
飛は、雷英の手引きで黒党羽(ヘイタンユイ)の根城に入り込み、現状に不満を抱く若い党羽(タンユイ)たちに協力を求めた。
だがそのとき雷英が、飛こそが月亮の嫡子であると彼らに明かしてしまう。
はからずも次期『黒龍』の名を背負うことになった飛。
彼の運命の行き着く先は……!?

                                                     (文庫折り返し部分より)

食わせ者雷英、やってくれやがりました。
飛くんがどうしても、嫌だと言えない場面で、彼を『小黒龍』として祀り上げることに成功するのです!
望まぬ立場を強いられた飛くんの奮闘が始まります。

前作、『暁を求む』れびゅでも引用したラストの冬眠と草朗(ツァオラン)の会話の場面、
飛くんは白龍へ帰ることはできないだろうと言った後、冬眠はそれは北里のためなのだと続けます。
北里の主として、雷英同様、北里を思う冬眠としては、街の混乱を治め、平穏を導くだろう才のある甥っ子(飛くん)を、
早々手放すわけにはいかないという事ですな!
飛くんの素質を認め、頼りにしてくれているというのは、ファンとしては嬉しいですが…
その為に飛くんの望みが閉ざされてしまうのは、辛いのです!!(泣)

さて、飛くんは、黒党羽の根城である龍巣(ロンチャオ)の廟堂へ向かう途中で、
梨樹(リーシュ)に言われたように、元(ユァン)家に立ち寄ります。
そこに、黒龍屋敷の使いが来ているのを見て、不穏なものを感じる飛くん。
飛くんが白龍の者であると知っている元家の古参の身内は、屋敷の使いの用向きを、打ち明けるのを最初は躊躇いますが、
梨樹が渡してくれた、飛くんたちが廟堂から無事戻ってきた時には、元家と縁のある富農、
雇い人などできる限りの人手を集めてくれるよう言付けた手紙が功を奏して、これまでの一切を打ち明けてくれます。
屋敷が思ったよりも早く、白龍攻めのための人手を集め始め、
また、口説きたいと思っていた黒党羽も次々と廟堂を降りているということでした。
早速先を越されてしまう形となった飛くんでしたが、諦める訳にはいかないと、日暮れを待って、龍巣へと出発します。
このとき、雷英が飛くんに「もう裏切られたくはないか」と、何かしら含むようなことを言うんですよね〜…
真っ直ぐ目前の大事に向き合っている飛くんは、その問いの裏に気付けないのですが(汗)。

飛くんたちは、龍巣へ向かう途中、幾人も廟堂を降りてくる黒党羽を見かけます。
彼らから身を隠しつつ、龍巣へ辿り着くと、雷英と猫は残っている黒党羽、特に廟主(ミャオシュ)と呼ばれる、
三百余りの党羽を纏める為に作られた小グループのリーダー(ちなみに、雷英と猫(マオ)も廟主)を口説くために、
先に廟堂への石段を上がっていき、飛くんは石段の途中にある廟へひとまず身を隠すことにします。
そのとき、隠れようとした西仙姫の古廟に人がいることに気付きます。
そこでは、雷英が纏める一廟(イーミャオ)の歳若い猛者六人が、二人の廟主と言い争っていました。
黒党羽の現状に不満を訴え、自分たちだけでも老頭(ラオトウ)に意見しに行くといきり立つ仲間を、
同じ不満を抱えつつも何とか止めようとする廟主たち。
しかし、力ずくで押し通ろうとする仲間と廟主たちが、ついに争い始めようとする、その姿に、
花路(ホワルー)の仲間たちの姿を重ね合わせた飛くんは、黙っていられず諍いに割って入ります。
不利な二人の廟主を助け、瞬く間に、党羽の動きと戦意を封じた飛くん。
いきなり現れた細身の若者に窮地を救われた廟主たちは、彼の戦い方、或いは面影に雷英に通じるものを感じました。
誰何する彼らに、飛くんが名乗ろうとしたとき、小刀が飛んできて、加勢として雷英が現れます。
長く、雷英の帰りを待ち侘びていた黒党羽の仲間たちは、彼の姿を見て喜びますが、
飛くんは途中で言葉を封じられ、自分から名乗る機会を逸してしまいます。
その雷英の振舞いに作為的なものを感じた飛くんでしたが、とき既に遅し(汗)。
雷英は、仲間たちに、あろうことか、今、黒龍屋敷にいる月亮を偽者だと言い、更に毛(マオ)家当主、
蜂焔(フォンイェン)の謀反を打ち明けた上で、街の傾きを正す為に、黒党羽老頭に逆らう気はないかと持ちかけます。
しかし、黒龍有数の富農の当主であり、黒党羽の助けを得て、
月亮の名を掲げている蜂焔と渡り合うことは出来ないと仲間は不安げです。
そんな彼らに、雷英は、飛くんを、本物の月亮と、先代『朱龍(チューロン)』の子、
つまり、ふたつの『龍』の血を引く血筋正しい『小黒龍』として勝手に紹介してしまうのです!
当代『黒龍』を旗印にするつもりだった飛くんは、いきなりの雷英の再度の裏切りに内心驚き、
憤りますが、必死な黒党羽の若者たちに縋られ、その怒りを呑みこみます。
そして、雷英と冬眠の思惑通り望まぬ『小黒龍』として、彼らを口説くことになるのです。
が、不本意な立場を押し付けられても、飛くんの口説きは格好いいのですよ♪
一気に本土伍(ウー)家の介入も含めた全てを明かし、動揺して証を求める彼らにきっぱりと言い放ちます。

「はっきりと言っておく。老蜂焔(ラオフォンイェン)の謀反についての証もなければ、当代『黒龍』のお指図についての証もない。
むろん、俺の身の上についての確かな証も、ここにはありはしない。
どうあっても証がなければ信じられないと言われたなら、この話は成り立ちようがない。
そう開き直ったうえで、問わせてもらう」
「なに……を」
「黒党羽。どちらに向かって歩みたい?」(100頁)

…と。
飛くん、カッコええ♪♪
そう黒党羽に問う飛くんの背後で、雷英が飛くんが彼らの心を捉えたことに、満足の笑みを浮かべます。
そして、笑みさえ浮かべて即答を求める飛くんに、黒党羽の若者たちは、しっかりと頷くのです。
彼らは、飛くんの身の上ではなく、自分たちが真に望む道を指し示してくれた飛くんの人柄を信じたのでした。

それから、飛くんは黒党羽に、老頭に逆えないと思われる古参連中を先に廟堂から降ろし、
残る仲間たちを口説いて回るよう指示します。
その際は、数を頼りにするのではなく、志の確かな頼りになる相手を選ぶようにと。
廟堂の外の手勢を募るためには、飛くん、雷英、猫と冬眠とで算段をし、元家に協力を仰いで、
郊外の富農を口説いて回ると策を示し、飛くんは一度、冬眠のいる竹苑(シュイエン)へと戻ることにします。
その途中、雷英に裏切られた怒りが改めてふつふつと湧き上がり、耐え切れなくなった飛くんは、
一度足を止め、猫と供に付いた黒党羽からは目の届かない場所へ雷英を強引に連れて行き、怒りを叩き付けます。
しかし、雷英は悪びれることなく、飛くんの怒りを受け止め、
白龍の大龍(ターロン)廟で怪我を負って倒れた飛くんを攫った時から、飛くんを次期『黒龍』にしようと考えていたと言います。
黒龍が少しでも早く落ち着き、穏やかに潤う街となる為には、
飛くんは相応しい主であると、また、これは、当代『黒龍』の策でもあるのだと。
白龍へと、マクの傍へと還る道が閉ざされようとしている現実に、飛くんは一瞬挫けかけますが(汗)、きっとどうあっても、
還れない場合には、マクが連れ戻しに来る筈だとという確信(笑)を頼りに、還らずにはおくかと気を奮い立たせるのでした。

途中、元家に立ち寄り、古参の身内に、こちらの身分を明かした上で、猫と共に、人手を集めてくれるよう頼んだ後、
竹苑に戻った飛くんは、冬眠や草朗も交えて、その後の算段をします。
こちらが集められるだろう人手と黒龍屋敷が集めるだろう人手を予想し、黒龍屋敷の手勢の多さに、
改めて自分たちの劣勢を感じると共に、飛くんはこれでは却って手勢を動かしにくくなるのではないかと、
月亮の思惑を計りかねます。
そんな飛くんと黒党羽に向かって、冬眠は、今回の決起の采配を全て飛くんに預けると言い渡します。
決起の旗印として掲げるのは、『小黒龍』である飛くんで、
当代『黒龍』はその後見であるとの言葉に、飛くんを除く皆は頷きます。
皆の期待を一身に受け、飛くんは北里を正すために断固として起つことを彼らの前で誓うのです。
譲れない望みを胸に抱きながら、肩に圧し掛かる重みを受け止めて。
…うう、なんとも悲壮なのです、飛くん頑張って!!
そうして、三日で手勢を集める黒龍屋敷に対して、二日で手勢を集め、纏めることを決め、
まずは、冬眠を屋敷賓荘から元家に移すべく動き出します。

・「龍は麾く」名場面。

最初は後半にある、飛くんと師父との再会シーンにしようかと思いましたが、気が変わりました(笑)。
場面が分散してしまいますが、飛くんが黒龍の人々の心を掴んでいく箇所にすることにします。
私が改めて、飛くんに惚れ直したシーンでもあるので♪

元家に無事、冬眠を移すことの出来た飛くんは、休む間もなく次の指示を出します。
それから、元家の館にいる者を老若男女問わずに残らず集め、彼らに助力を乞います。
その言い方がまた、飛くんらしく、カッコよく清々しいのです♪↓

「願わくは……逃げ道を求める気持ちを抱いてではなく、一時の勢いにかられてでもなく、
確かな志をもって事を起こしてもらいたい。争う相手はどうしても、同じ北里に住むものたちということになる。
できるだけ彼らを傷つけずに、勝ちたいと思う。
打ち破ろうとするのは、あくまでも毛家当主の企みと、
人々の胸のうちにある多くの迷い、不安だと思ってほしい」(165頁)

そんな飛くんに、元家の人々も皆彼に従い、決起することを決断し、他の富農とその雇い人を口説くべく四方へ散ります。

それからほんの少しだけ椅子に座って休んだ飛くんは、
マク、師父、母玉蘭(ユイラン)の夢を見ますが、間もなく起こされ、再び動き出します。
雷英や元家の者たちに口説かれ、集まってきた者たちで、飛くんに会いたいという者には全て、直に会うのです。
『小黒龍』に祀り上げられたにしては質素な自分の身なりに、この見掛けの悪さから信じてもらえないならそれでも良いか、
と飛くんは一瞬皮肉めいた考えをしますが(苦笑)、そんなことは全くなく、
始めに会った党羽二人は、飛くんと顔を合わせるなり、拝跪します。
「凛とした品の漂う清々しいお姿」(170頁)で、
「血筋とお人柄とが感じられてまぶしいほどだ」(171頁)とまで思われます。
持って生まれた麗質は、どんな衣を通しても透けて輝くということですね!
まさに「衣通姫(そとおりひめ)飛くん」なのです!!(笑)
次いで、正房前庭に集まった農夫頭らに会うべく、回廊へ出た際にでくわした女がひれ伏すのにも、
飛くんはあまりかしこまらないでくれと、要らぬ隔たりを置かぬよう声を掛けていくのです。
それから庭に出た飛くんは、集まってくれた農夫頭に改めて助力を願った後、
家と土地の名を次々と挙げながら、ひとりひとりに細かい指図をしていきます。
まだ、黒龍に関わり始めて間もないというのに、何も見ずに、間違い、伝え漏らしもなくそれをやってくれるのですよ!
凄いのです♪
そして、最後にまた、こう言うのです。

「最後に、伝えておきたい。このことは帰ってから味方のすべてに間違いなく知らせてほしい。
俺たちはこれから北里を正すためにと、刃のある得物を握ることになるが……
対する相手にはできるかぎり傷を負わせないよう努めよう。
難しいかもしれないが、必ずのちのち街のためになると、俺は信じる。
出会う敵を、まずは味方になるべきものだと思ってくれ。
はじめに説き、うなずいてもらえなかったなら、つぎはその得物を奪ってみる。抗うようなら縄で縛める。
それらが叶わずに相手を傷つけることになったとしても、決して命を奪(と)ろうとはしないでほしい。
からだを傷つけても、心を踏みにじることのないように。この闘いは……必ず、こちらが勝つ。勝ちに導いてみせる。
だから、勝ったあとのことを考えてくれ」(174頁〜175頁)

素敵、素敵!!(喜)
…こういう飛くんの言動に、私はときめき、惚れ直すと共に、限りない尊敬の念を抱くのですよ♪♪

しかし、心ある人々を集めたところで、決起勢が劣勢なのは明らかでした。
また、冬眠からは飛くんの身の上の証がいるとやんわり求められます。
こちらの劣勢を打破する為に、飛くんが持ち出した策は、
なんと黒龍、本土から攻められる白龍に助力を求めるというものでした。
あまりに無謀な策に、冬眠は笑い出してしまいますが、飛くんは大真面目です。
そして、飛くんは更に冬眠に黒龍屋敷へ行く許しを求めるのでした。

黒龍市街中心では、方々から集められた人々がろくな指示も受けずにただ、ひしめき合っていました。
今すぐに、白龍へと攻め入るか、白龍攻め自体を取りやめるかして、この多くの人を市街から出さなければ、
集まった人々が悪さをしかねない危うい状況にありながら、月亮はまだ、人手が足りないと言います。
そんな彼に古参の身内、老銭(ラオチェン)はついに、白龍攻めを取り止めるよう進言します。
病が癒えていない様子であるのに、薬を受け付けないという月亮に、西里への恨みも分かるが、どうか身体を労わって、
街のことに専念してほしいという老銭に、月亮は静かに自分の胸のうちの何が分かるのかと言い返します。
そして、傍近くに控える黒党羽老頭にも、誰にも分からないだろうと言い放ちます。
何故なら、あれほど想った玉蘭でさえこの心を汲んではくれなかったのだからと言う月亮が何とも悲しいです(涙)。
叶わぬ想い、長き恨み、雌伏の時、徒労に終わったさまざまなこと、それが全て自分自身の所為だと笑う皮肉な運命…
それら全てを逆さまにし、滅ぼすつもりなのだと彼は言います。
それでも、虚ろな心は癒されることはないだろうと承知したうえで、月亮はその道を突き進もうとするのでした(苦)。

・「龍は麾く」ベストオブイラスト。

やっと、ここまで来ました(苦笑)。
此度、セレクトいたしましたイラストはこちら。↓

211頁のイラストです。

月亮に会う為に、黒龍屋敷へ行きたいと跪いて、冬眠に許しを願う飛くんと、それに難色を示す冬眠、
ならば自分も一緒に行こうと言い出す雷英、屋敷うちへの案内をすると部屋に入ってくる草朗…
という場面のイラストです(一気に説明/笑)。
雷英に振り向く飛くんのヨコガオが素敵なの〜ん♪♪(メロメロ/笑)
あと、甥っ子たちと侍者の無茶な申し出に、眉を顰める冬眠が、何だか知的な美男振りが際立ってる感じなのです!

どうしても、今、一目だけでも月亮に会いたいと言う飛くん。
彼の心の中には、未だに、月亮への感謝の念が消えずにあるのです。
その代わり、黒龍屋敷から、こちらが正統である何らかの証を得て戻ってくると言う飛くんに、
冬眠は必ず皆で戻ってくるようにと、黒龍行きを許可します。

忍び込んだ黒龍屋敷で、ついに飛くんは、月亮と再会します。
最初は現れた飛くんを幻だと勘違いしたものの、ようやく飛くんが生きていると分かった月亮。
そんな彼に、飛くんは心からの感謝を伝え、決起のこと、蜂焔の企みのこと、
正統である証として『龍』の印をもらいたいことを告げます。
しかし、飛くんの無事を知ってもなお、全てを滅ぼすという月亮の望みは、変わることはありませんでした。
得物を握り、朱龍の協力のことを告げると共に、月亮は自分を力ずくで止めるよう飛くんに言います。
自分はまだ、何かを待っていると…そう言った月亮はしかし、
飛くんを父親のように(正真正銘の父ですが)暖かく抱き寄せます。
我に返り、跳び退った飛くんは、得物を抜いて、その切っ先を月亮に向け、宣言します。

「俺は、北里を正す。北里を正して、この島を平らかにしてみせる。毛家当主を叩き、伍家を退けて……師父(シーフ)……
あなたの望みとやらを、二つに折る。そうして、あなたを……すくい上げる。
いつか、あなたの手が、俺を波の下からすくい上げてくれたように……っ」(261頁〜262頁)

飛くんっ!!(涙々)←言葉にならない(苦笑)。
何て、健気で悲愴な決意なのでしょうかっ!!
そこに、同じく再会を果たしたもう一組の父子、黒党羽老頭と雷英が現れます。
父に黒針(ヘイシン)を一針やってから(容赦ねえな雷英…/苦笑)、説得を試みた雷英でしたが、そちらも失敗です(汗)。
そのとき、中庭に居残っていた草朗の指笛の音が聞こえ、飛くんたちは引き上げます。
合流した後、草朗は飛くんに『龍』の印を渡します。
中庭に身を潜めていたときに、老銭を見掛けた草朗が、信の置ける彼に事情を打ち明けたところ、
月亮がいらないと言って、老銭に預けたままにしていた印を、託してくれたのでした。
老銭が『龍』の証となる印どころか、薬もいらないという月亮を想って泣いていたという草朗の話に、
思わず貰い泣きしてしまう私。
最近、爺キャラに感情移入して泣くことが多いぞ、私。一体どうしたんだ?(苦笑)
目的を達した飛くんたちは、元家へと戻ります。
その後、息子との戦いで傷を負い、月亮の口からも改めて蜂焔の裏切りを聞かされた老頭は、
街を想うことのない月亮を思い切って手に掛けようとしかけますが、
どうしてもできず、これまた男泣きしながら(笑)、最後まで月亮に従うことを決めるのでした…

ついに白龍攻めの日が決まり、蜂焔、伍家当主天鳳(ティエンフォン)が動き出します。
元家に戻った飛くんは、すぐに襲ってくるだろう黒龍屋敷の目を欺く為に、
今は空になっている黒党羽の根城、龍巣に潜むことを提案します。
そうして、背後から敵を襲い、流言を使って敵の切り崩しをするというのです。
それから、留守の間の采配を冬眠に預け、飛くんは助力を求めに白龍へと向かうことにするのでした。

何だかま〜た、長々と書き連ねてしまいました(汗)。
だって、ピックアップしたい場所がたくさんあるのですもの、仕方ないですよね!!(言い訳)
ホントはもっと飛くんのカッコいいところや、雷英との絡み、師父の胸痛む語り、
マクの物騒な名言(?)等々色々ピックアップしたかったのですが、我慢しました(これでも/笑)。
次巻は飛くんとマクの再会です。
飛くんが『小黒龍』として行くというのが、何とも切ないですけれども。
そして、島全体を揺るがす戦いも始まります!
こりゃー目が離せないねっ!!(握り拳)
ってことで、次回れびゅもお付き合いくださいましたら幸いです。
「龍は麾く」れびゅはここまで。
有難うございました!!